シドニー旅行記 10月23日

五日目

この日も朝から晴天。
ホテルでの朝食も、移動もだいぶ慣れたように感じました。

この日は買い物の一日という感じでした。


まずバスでロックス(のみの市)に向かいます。
私はのみの市というと、テレビで見たパリの様子を想像していましたが、此処は少し違いました。

大きな建物の中に、店が密集している感じでした。
まだ早かったせいか開いていない店も多く、コンクリートの床のせいか、寒く感じました。

此処では自由行動でしたので、私は人の様子を見ながら一人でまわることにしました。
途中、初めて目の不自由な方の介助をさせていただきました。
私に出来るのかと戸惑いましたが、何とか無事に出来ました。

歩いていると同じ班の方がいらっしゃり、この方は一人でまわられていたので、一緒にまわることにしました。
この方(仮にMさんとします)はいつも素敵な洋服を着ていらっしゃっていて、いつか話をしたいと思っていたので、話すことが出来てよかったです。

どうも、二人とも市場に対して同じ感覚を持っていました。
「掘り出し物を探したい人には良いけれども」とか、「やはり典型的な日本人なのか綺麗なものが良いのかもしれない」という会話をしていました。

そして20分位して何も買わないで出てきてしまいました。
近くにファーストフードの屋内ベンチがあったので、座って休むことにしました。
そこで、お互いの家族の話や福祉関連の話をしていました。

集合時間は決まっていたのですが、それより前に続々と人が集まってきました。
中には、沢山掘り出し物を見つけた人もいました。
同じ班の他の方も来たので、お土産を見せてもらいつつ、また旅行の思い出等を話し合ったりしました。
前述の飛行機の席が隣だったTさんもご機嫌の様子で良かったです。


そうこうしている間に集合時間となり、またバスで移動することになりました。

次も市場のようなところに行くことになりました。
ガイドさんから次は少し綺麗なところと聞いて、安堵したのは何故だったのでしょうか。

バスは10分ほどでヘイマーケットという所に到着しました。
此処は野外にお店が連なっていて、確かに包装してあるものや綺麗な絵が置いてありました。

此処も自由行動でしたので、また一人でまわることにしました。
どうも私は一人が好きなのかなと思ったりしました。
手作りの置物を買いました。
何故か中国人に間違われましたが・・・。

ヘイマーケットは、観光客向けだなと思いました。
高そうな現地の化粧品や石鹸が置いてあり、接客も丁寧でした。

しかし、此処の市場の近くにあるトイレは段差があり、とても使いにくかったです。
車椅子の方に対して2,3人で介助しないと、とても上がりきれないようなところにありました。
また緩やかですが、坂もあり、障害を持っている人に対して、ちょっと厳しいのではないかと思いました。

また時間が余っていたので、バスの到着所の近くで待っている、同じ班の方と体調はどうですかと聞きながら、色々と話をしていました。
そこに同じような観光バスが二台止まりました。
中から出てくるのは、皆中国の人でした。
そう言えば動物園に行ったときも中国の人を見たと思い出しました。
中国は今経済的にも個人的にも豊かなのかと思いました。
皆で「何だかパワフルな感じだね」と言っていました。


集合時間が来たので、バスに乗り込みました。

時刻はお昼になっていました。

昼食はシドニータワーの展望レストランでとることになりました。
バスが近くに止まれないので、少し離れたところから移動することになりました。
結構段差もあり、自分は一番後ろにいたのですが、人を満遍なく見渡すことは大変なのだと思いました。

エレベーターで上がるのですが、この時も少ししか乗れないので、何往復もしました。
やっと上に着くと、席が少し移動するように緩やかに動いていて、
とても驚きました。

此処は、カウンターにいる係の人に料理を取っていただくという感じなので、取りに行き辛い方のものを取りにいくことで精一杯でした。
私は中華風の料理を選んで食べました。
前述のHさんとTさんとMさんが偶然近くの席で、他に同じ班の方がいらっしゃったので、外の風景を一緒に撮ったりしながら、食事を楽しみました。

一時間半位たち、展望台をあとにすることになりました。


次は免税店(DFS)にいくことになりました。
此処はもう本当に最後の買い物をするというようになっていました。
自由に動いて良いとのことでしたので、私は最初は同じ班の方何人かと一緒にいましたが、最後は一人でふらふらしました。
しかし、特にほしいものもないので、お菓子とコアラのぬいぐるみだけ買いました。
ボーッと色々な人を見ていたら、皆さん沢山買っていらっしゃいました。
旅行の楽しみは買い物という人もいると思います。
障害を持っている方は買い物するだけでも大変という方もいらっしゃると思います。
こういう旅行で楽しむことが出来たのならば、それは本当に良かったなと思いました。


二時間半の時間中、最上階のテラスみたいな所で休んでいたら、以前の旅行で一緒だった役員の方が二人いらっしゃいました。
班が違うと全然話さないよね、と言われ、確かにその通りだなと思いました。
まだお互いオーストラリアに来たという実感がないと思っていることがわかり、少し笑ってしまいました。

多分、参加したボランティア、役員の方は皆そうだと思いますが、この旅では『どの様にして人を動かすか』『どうやって快適に皆さんに過ごして頂くか』を私は第一に考えていたように思います。
そういったことに必死になっていたので、あまり海外に来た感覚がなかったのです。

時間も迫り、下に行くと皆集まっており、いつの間にか夕方近くなっていました。


次は、船上での夕食ということで、船の苦手な私は、とても心配でしたが、港についてみると大きな船で安心しました。
此処では乗船するまでにとても時間がかかったことを覚えています。
中々スムーズには行かないのだなと思いました。


乗船して二階席に座ることになりました。
夕食はコース料理で、私は魚料理を選びました。
そうこうしているうちに、ショーが始まりました。
ダンサーが踊り、歌い、外国のショーは迫力があるなと思いました。
そして国際障害者年25周年記念ということで、団長さんや統括の方が挨拶をした後、参加者代表の方が感想を読み上げました。
私はある方の感想に涙が少し出ました。
皆さん、楽しんでくださり、本当に良かったと思いました。

帰り道、少し歩きながら班の方が口々に良かったと言っているのを聞いて、本当に良かったと思いました。


ホテルに戻ると、翌日帰国に際して、皆の荷物は何個かを調べることになりました。
班で担当を決めて、お部屋に伺いました。
その後、ミーティングがあり、綿密に帰国に際しての説明がありました。
日付が変わり、荷物を整頓して、シャワーを浴びて就寝しました。

この日は本当に旅の最後といった感じで、私はどこまで何が出来たのだろうと思いました。
色々なことを思い出して、少し達成感と反省と色々な思いが交錯していました。