シドニー旅行記 10月22日

四日目

この日は朝から快晴。
朝、Iさんが「お茶を入れましょう」と仰り、ポットでお湯を沸かしてお茶を飲む。
日本ではこんなにゆっくりお茶を飲まないなと思う。


7時前にIさんと部屋を出る。
朝食の準備。
私は、この日は同じ所に住んでいる参加者の方と色々と話をしました。
ホテルの朝食は毎回同じものが出ていて、皆で何でだろうねと話をする。
そうこうしている内に、今日の日程の説明が始まった。
私は一番この日を待っていました。
何故かというと牧場に行って、現地の障害を持った方と交流するということだったからです。


8時半頃出発。

グレッズウッド牧場というところに到着しました。
牧場に着くと、本当に紫外線が強くて驚きました。
班を二つに分けてまわることになりました。
私はこの旅行中ずっと班の旗を持って歩いていました。
この日もずっと持つのだろうか、もっと色々な人と話をしたいと思ったら、Kさんが「あの方を見てくれないかしら」と言いました。
私は最初は車椅子の方とまわることになりました。


現地の施設で生活されている障害をもった方も到着されていました。
しかし、英語がわからないので誰も話をしていませんでした。
そんな時、シドニーに留学している学生さんもいらっしゃっていたので、通訳をしてくださいました。
私は現地の方を見て、車椅子がカラフルだったり、音声機能がついたコンピュータをつけていたりと、日本とは違うのだなと思いました。
付き添ってこられた施設の方も、日本のようにあまり口を出さないというか、本当にラフな感じでいました。


牧場ではまず羊の毛刈りを見ました。
熟練した職人さんが刈っているのを見て、腰は大丈夫なのかと思ってしまいました。
後で同行のバスガイドさんに聞いてみた所、職人さんの引退は早いようでした。
羊は鳴き声もあげずにあっという間に毛刈りは終了しました。


次に犬が羊を追い込むというものを見に行きました。
テレビで見たことがありましたが、間近で見ると本当に迫力がありました。
犬は訓練士の方によくなついており、サッと移動するという感じでした。
その後訓練士の方に教わり、ムチ操作を習いました。
何人か代表でならすことになり、何故か自分も前に出てやりました。
結果はちょっとしかならずに残念でした。
参加者の中には凄くなった方もおり、皆で楽しめてよかったなと思いました。

その後現地のお茶をご馳走になったり、ブーメラン投げを見物したりしました。牛の乳しぼりを見たり、牧場にはカンガルーもいて驚きました。
ワインのテイスティングも行いました。
現地の方はゴクゴク飲んでおられて驚きました。
また班の方も皆さんよく飲まれていました。

私は同行の看護師さんと留学生の方と少し話をすることが出来ました。
出身地、何を勉強しているのかとか色々と聞きました。
私は学生の頃留学に憧れていましたが、夢と現実はやはり違うのだなと思いました。


歩きまわっていたらもうお昼ということで、昼食を食べる場所に移動しました。
全員集合すると食事をすることになりました。
オージービーフのステーキを食べました。
少し固くて残してしまいましたが、これが本場の味なのだなと思いました。


昼食後交流会が行われ、役員の方の話、現地の施設の職員の方の話を聞きました。
最後にプレゼントを贈ることになり、私は多分施設の方であろう人に皆から持ち寄った日本的な物をまとめたものを渡しました。
何だかとても恥ずかしくて、立ち去ろうとしたら、その方がスッと握手を求めてこられました。
私はきっとこの握手したことを一生忘れないだろうなと思う位心に残りました。


時間も迫り、バスに戻ることになりました。
時間があればもっと交流をしたかったと言いながら戻りました。


夕刻になりダーリングハーバーを歩きながら、レストランに向かいました。
ジョードンズというところで、シーフード等を頂きました。
私は実は殆ど食べられないものばかりで、参加者の方に食べていただいたりしました。
こういうとき好き嫌いがあると、申し訳ないし恥ずかしいという気持ちになります。
ある参加者の方が「色々見るのも明日で最後だね」と仰いました。
また別の方が「もうすぐ現実に戻るのだな」とポツリと仰いました。
私もずっと家のこと等は考えませんでしたが、思い出しました。
少ししんみりしていましたが、役員の方が写真を撮ってくださり、そして夜景を見ていると、ああシドニーに来れて良かったなと言う思いがひしひしと湧きあがってきました。


夕食後ホテルに戻り、21日と同じようにお風呂の介助に行き、ミーティングに参加すると日が変わっていました。
正直言えば、気疲れが溜まっていましたが、それを吹き飛ばすようなことが旅行では沢山あったように思います。

この日は人と交流することの難しさを感じました。